女性と少女をサポートするNPO団体でのインターンシップ(インド)O・Yさん

 

皆さんこんにちは!

インドでの女性と少女をサポ―トするNPO団体でのインターンシップを終えたY・Oさんからのレポートです。
とても濃い内容ですので、是非読んでいただけると嬉しいです。


参加プログラム :
女性と少女をサポートするNPO団体でのインターンシップ
国 : インド


こんにちは。O・Yです。私は2月のタンザニアの国際協力インターンシップに加えて、1ヶ月間、インドの女性支援を中心に活動しているNPO団体で女性が直面している問題とその取り組みを学びました。今回はそれをご紹介したいと思います。

NPO団体は、ラージャスターン州の都市ジョードプル(インド北部)に基盤を置く非営利の慈善団体です。女性や少女への支援に取り組んでいます。

 

《4つの主な問題》

【1. 差別、2. 虐待、3. 児童婚、4. 教育の欠如】


1. 差別
には3つのタイプがあります。

  • ジェンダー : インドの家父長制が女性を機会のない人生に追いやります。
  • カースト : NPO団体は主に、インドのカーストで最も下に位置するダリットと活動しています。彼らはインド社会で日常的に甚だしい差別に直面しています。
  • 経済 : NPO団体が活動している周りは非常に貧しい地域です。経済的に不利な点が女性への差別を生む理由でもあります。

 

2. 家庭内暴力

インドでは、5分おきに 1人の女性が家庭内暴力で苦しんでいると言われています。

また、55%の男性と50%以上の女性は、家庭内暴力は、”料理が下手なこと”や”許可なく外出したこと”などの理由で、正当化されると考えています。

※ジョードプルはインドで5番目に家庭内暴力が多いとされています。

 

3. 児童婚

インドでは世界で最も多く幼妻がいると言われています。世界の幼妻の3人に1人はインド人だと言われています。

インドでは約20%の女性が15歳になる前に違法な結婚をします。これは、学校での教育や就職の見通し、健康などに非常に悪い影響を与えることが証明されています。

 

4. 教育

多くの女性が若くして結婚するため、学校は選択肢にはありません。そのため、女性の識字率は男性の識字率よりも低く、特にラージャスターンでは明白な違いになっています。

 

《NPO団体の活動 どのように支援しているか》

  1. エンパワーメントセンター
  2. 奨学金プログラム
  3. SOSプロジェクト
  4. 自助プロジェクト

 

1. エンパワーメントセンター

(エンパワーメント : 女性に力を与えること)
※エンパワーメントセンターにより、年間490人の女性が支援されています。

都市部 : ジョードプル
NPO団体の5つのエンパワーメントセンターは、ラージャスターン州で2番目に大きい都市であるジョードプルの複数の最も貧しい地域に位置しています。地元の女性はヒンドュー語、英語、数学、裁縫、刺繍の無料レッスンを受けるためにNPO団体を訪れます。彼女たちは、毎日の自己防衛のための授業と毎週のセミナーも受けています。

農村部 : セトラワ村
NPO団体の農村部のエンパワーメントセンターはセトラワの地元地域に貢献しています。都市部のセンターと同じように、困難な状況にある女性や少女に無料の授業や活動を提供しています。


2. 奨学金プログラム

NPO団体は都市部や農村部の少女がジョードプル中の学校に通えるように資金援助しています。学校教育を受けられるように、22人の少女のために下宿を運営しています。寄付金なしでは、その子供達は教育を受けられないのが現状です。

※寄付のおかげで、毎年200人を超える生徒が学校に通えています。

また、インドの子供への性的虐待といったタブーの問題も扱っています。地方の学校でのセミナーでは、子供が虐待を認識するために必要な基本情報を正確に教えます。教師と両親にも意識を高めるためのセミナーを提供しています。


3. SOSプロジェクト

悩み相談電話
無料の悩み相談電話が朝の9時から夜の19時まで開設されています。法的な、医療的な、家庭の、そして経済的なアドバイスや支援を必要とする女性が、いつでも助けが必要な時にNPO団体に電話でき、NPO団体は可能な限りの努力で助けようとします。

また、NPO団体の避難所は女性に緊急の安らぎの場を提供します。危険にさらされたり、家庭から追い出された女性が、安全な場所でNPO団体のメンバーと過ごすことができ、保護され、大事にされていると感じられます。


4. 自助プロジェクト

NPO団体のマイクロファイナンスプロジェクトにより、NPO団体の女性がお金を借りることができます。これが、彼女ら自身の事業を開始し、困難な時にも家族を支え続けるための、ローンの利用を可能にします。

※100人を超える非常に助けを必要としている女性がこの自助プロジェクトで支援を得ています。

 

《費用について》

※1ユーロ=約130円

  • 70ユーロ(9,100円)で、生徒1人に裁縫の機械を提供し、経済的な立ち位置を向上させる機会を与えます。そして、彼女らの尊敬、自信、収入といったものを獲得できます。
  • 270ユーロ(35,100円)で、セトラワ村の1人の女性に一頭の牛を提供できます。この牛で、女性は酪農の事業を始められます。家族にお金と牛乳を与えられるようになるのです。
  • 1,000ユーロ(130,000円)で、4人の少女に、もう1年分の教育の資金援助ができます。中等学校に追加で1年間いられるだけで、女性の潜在的な将来の収入を25%上げることができます。さらに、教育を受けた女性は子供を学校に送る確率が、2倍も高い傾向があります。



《最後に》

このように、複数の観点から、インドの社会問題やそれに対するNPOの取り組みを深く理解することができました。
対面が難しい中、オンラインで、当事者の女性からもお話を伺うことができたのは非常に貴重な経験でした。
ありがとうございました!

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